ヤミ金被害,ブラックリスト

ブラックリストとは

ブラックリスト
誤解されている方も多いのですが、ブラックリストという名簿があるわけではありません。
個人の経済的な信用を登録している「信用情報機関」に、「この人は返済が延滞、自己破産している、債務整理で減額」というような事故情報が登録されることを、俗に「ブラックリストに載る」、と表現しているのです。

「信用情報機関」とは、市中の金融機関が、ローンを組ませたり、貸し付けを行ったりする際に、「この人物は信用できるのかな?」という与信審査を行うために設置された情報機関です。
この信用情報機関に登録されている情報のうち、個人の経済的な信用力(返済能力)が低いと考えられるような情報を事故情報と表現しますが、具体的には「延滞情報」や破産等の「債務整理を行った事実」等がそれに該当します。

信用情報機関の仕組みは、次のようなものです。
新規でクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりする場合には、まず、「信用情報機関」に顧客情報が登録されます。ある一定期間返済(おおよそ3ヶ月程度)が滞ったり、破産等の事情が生じたりした場合、これらの情報は「事故情報(異動情報や延滞情報、ネガティブ情報とも)」として登録されます。これを市中の金融機関では通称「ブラック情報」、「ブラックリスト」などと表現しています。

「カードを作りたい」、「融資を受けたい」等の申込があると、市中の金融機関はこの信用情報機関の情報を参照し、他社での利用状況や事故情報を確認することになります。そこで事故情報が登録されていれば、当然この金融機関は、「この申込者は危険だ」と考えて融資を手控えることになります。ただ、この審査基準は金融機関ごとに若干異なりますので、融資判断が分かれる場合もあります。

市中の金融機関は、銀行、消費者金融、信販会社に分類されますが、この業態により加盟する信用情報機関は異なり、それぞれ下記の3つの機情報関が存在しています。
全国銀行個人信用情報センター…銀行系の信用情報機関
株式会社 シー・アイ・シー(CIC)…信販会社の信用情報機関
株式会社 日本信用情報機構…銀行・消費者金融系・信販会社系の信用情報機関


【ブラックリストの影響】
ブラックリストに載ってしまった場合、これが登録されている期間の目安は、「支払予定日より3カ月間支払いが遅れた場合は5年間」「自己破産した場合は7年〜10年間」「任意整理をした場合は5年間」などとなっています。(金融機関によって若干相違があります)

ブラックリストに載っている期間中、金融機関は貸付審査において「この人は信用が低いので貸付不可、ローンを組むのは難しい」と判断する可能性が高いことになります。
よって、この期間中は、新規にカードを作ったり、新規借入をしたり、自動車・住宅のローンを組んだりすることが事実上、難しくなります。

その他にも、アパートやマンション、戸建ての賃貸契約をする場合に、家賃等の保証人として保証会社が指定されていると、保証会社が信用情報機関に問い合わせをし、事故情報により保証会社に拒否されるということも。
また、家賃の支払い方法として、クレジット会社による引き落としを指定される場合がありますが、その際も信用情報機関への問い合わせがなされ、その審査が通らないという可能性もあります。
ただ、上記のようなケースでない限り、大家さんが信用情報機関に問い合わすることはしませんから、保証人等の要件を満たせば問題ないでしょう。実際、債務整理中や自己破産中に賃貸契約する方は大勢います。

また、ブラックリストは永続的なものではなく、「一定期間」を過ぎれば登録抹消されます。
よって、その期間(おおよそ7年以上)を経過すれば、新規のクレジットカードや、ローンを組むことが可能です。

「ブラックリスト」と聞くと、犯罪者になったかのようなイメージを持つ方もいるようですが、あくまで新規の借入等ができないだけです。それ以外に悪い影響はありません。
ブラックリストに登録された影響はあくまでも「金融機関が参照する個人の経済的な信用」になります。
よって、ブラックリストに登録されたからといって、就職や転職、さらに勤務先への影響や、各種資格取得の制限が出ることは、まずありえません。

また、信用情報はあくまでその個人のものですから、家族や親族等に不利な影響が出ることもありません。ただし、勤務先が銀行や金融機関、クレジット会社となれば、信用情報と密接に関係しますので、その影響が出ることは否定できません。

【ブラックリストに掲載されないために】
最近は、ブラックリストに登録される原因として、「 そんなことが原因で」と思ってしまうケースが増えています。

例えば、携帯電話やスマホの購入代金滞納です。月々の分割払いを、うっかり忘れて滞納した場合、金額の大小に関係なく、滞納すればブラックリストに登録されますので注意しなければいけません。いったんブラックリストに登録されると、ローンが組めない、カードが作れないという状況に陥ります。

例外として、中小企業や個人事業の経営者で、ブラックリストに登録されたくないばかりに、経営者の中には金融機関の返済が延滞しないよう闇金融から借りて、金融機関へ返済しているケースもあります。
これは闇金融が信用情報機関に加盟していない(加盟できない)ことによるもので、一時的にはブラックリスト入りしなくて済むかもしれませんが、借金地獄の門を叩いたことになります。
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